ゆるキャン△を観てキャンプを始めた人の、その心理を紐解く
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前回は、ゆるキャン△の面白さの本質について、私なりの考察と、解釈を披露しました。
せっかくなので、引き続き考察を深めてみたいと思います。
キャンプブームとゆるキャン△
昨今のキャンプブームにより、どのキャンプ場も休日はキャンパーでいっぱい。もはやオフシーズンというものは無いのではないか、と感じます。先日も、2月の頭に飯能のcazuキャンプ場に予約無しで行ったら、予約で一杯で帰るハメに。ひい。
キャンプ人口自体は、ピークを迎えた1,996年の1,580万人に比べると、現在は850万人程度。それでもここ数年は10万人/年くらいの割合で増え続けています。ひところの勢いはないものの、静かなブームが続いている、ということでしょう。
2,018年、ゆるキャン△が放送された年の冬からは、今までは完全にオフシーズンだった11月でも人で賑い、翌年は、12月でも、駐車場が開く2時間前から車の行列、年明けて2月になっても、場所によっては予約でいっぱい。ゆるキャン△の影響も多少はあるんでしょうか。
ネットで見聞きする話では、普段アウトドアに縁のない人も、ゆるキャン△を観てキャンプを始めた、という方がいらっしゃるようです。
私もそのクチなのですが、なぜキャンプを始めたのか。アニメの影響、と一言で言っても、アニメの何に影響されたのか?少し考察してみました。
まず、この作品では、キャンプのシーンが楽しそうに描かれています。それでファンがキャンプを始めた、という流れになるんですが、では何が楽しそうなのでしょうか。
冒頭では、口数の少ない女の子が、冬のキャンプ場で一人、無表情でポツンとしています。なのに楽しそうに見える。何がそう感じさせるのか。それが、インドア派の方をもキャンプ場へといざなう、鍵になるはず。
自分のやりたいことが明確
主人公の一人である「りん」ちゃんは、ソロのキャンパーで、しかもオフシーズン限定です。キャンプが趣味の女子高生、という時点で珍しいのに、さらに一般的なキャンプの楽しみからはかけ離れています。
しかしこの子には、自分なりのキャンプスタイルがあり、やりたいことが明確で、そのための判断や行動をしています。友達からキャンプに誘われた際にも、断ってしまいますし、一度、別枠としてみんなでキャンプした後も、ソロキャンを続けています。
自分が一番楽しいと思えることを、やりたいようにやれている、そんな空気感が伝わってくるから、絵的には地味でも、楽しそうに見えるのです。
※もちろん、演出や脚本、BGM、演技が一級品だからこそ、それが伝わるのです。ゆるキャン△が名作と言われる所以は、この難しい問題を見事に乗り越えたから。
また、そんなりんちゃんの姿を見て共感した視聴者が、
自分も、自分なりのやりかたでキャンプを楽しんでいいのかも?
と思えた。それが、ゆるキャン△を観てキャンプをやりたくなった理由ではないでしょうか。
また、こうした姿を見ていると、「自分」というものを持っている、その姿勢が、羨ましくあり、見習うべきもの、と思えてくるのです。
※ちなみにヤマノススメにも共通点があり、こちらは女子中高生による登山、特に楓さんはソロ登山。あおいちゃんたちと登るようになってからも、ソロで登っています。また原作では、あおいちゃんが自分なりの登山スタイルを模索するシーンが多く見受けられます。
作品を通して描かれる、「個」の大切さ
キャンプというと、夏に、家族や友達と賑やかにやるもの、というイメージが強いですが、この作品では、そういった固定観念には一切囚われていません。作中での季節は冬ですし、りんちゃんはソロキャンパーです。
もう一人の主人公、なでしこは、ソロも、りんちゃんとの二人キャンプも、みんなでキャンプも、どれも楽しみたいし、野クルのメンバーはみんなで楽しみたい。斉藤さんはそもそもキャンプ自体しない派だけど、たまにみんなでイベント的にやるのは好き。鳥羽先生はお酒があれば何でも。
みんな自分のやりたいキャンプスタイルがあり、そしてそれを、誰も、誰にも押し付けない。
それぞれが自分のスタイルで、キャンプを楽しむ。それが、多様性が叫ばれる時代に合っていたのでしょう。
それによりキャンパーの間口が広がっり、予備軍にもなり得なかった方が、キャンプデビューすることになったのではないでしょうか。
というか私がそうなので、そうなのかなーと思っただけですが。
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