ちきりん X 山下達郎 共通点3「拡大志向ではない」
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達郎さんはメディアへの露出が極度に少ないミュージシャンです。ラジオや雑誌以外のメディアには出ません(出てくれません。。。)。
テレビやミュージックビデオに出ないだけでなく、ライブビデオも出しませんので、動く山下達郎を見れるのは、それこそ生で、コンサートでのみ、という状況です。
2012年に山中湖で夏フェスがあり、その様子がスカパーで放送されましたが、達郎さんのところだけはオンエアされませんでした。……徹底してます。
テレビに出なくてもブレイク出来たから必要性を感じない、また、テレビの影響が大きすぎるから、ということをインタビューでは語っています。
(家族の生活を守るためにあまりメディアに出たがらないという理由もあります。少し推測も入りますが、映像と共に音楽が届いてしまうと、純粋に音楽のみを届けることができなくなるから、というのもあるんじゃないかな。ただ、ライブビデオくらいは出して欲しい……)
コンサートも、武道館やアリーナクラスではやりません。キャパ2,000-3,000人規模の会場に限定しています。
2013年のコンサートの時にも、「自分は拡大志向ではない人間です」とハッキリ明言していました。その時のMCで、
「アリーナのパイプ椅子にお客さんを長時間座らせたくない(公演は3時間半にも及んだりするので)。肉眼でちっちゃくしか見えないミュージシャンを、でっかいモニターで見ても、そんなのはライブとは言いません」
そして、「お客さんと近くで触れ合える会場が、この小さなステージが、私にとっての武道館です」ってところで、私もその他の観客も、拍手より先にため息が漏れました。これが本当の一体感というものなんだろう、と思いましたね。話が逸れました。
目的はテレビや武道館に出てメジャーになることではなく、自分や家族の幸せ、ミュージシャンとしての活動をコントロールすること、ファンに喜んでもらえること。その目的が変わらない限り、今後も活動をむやみに拡大することはないのでしょう。
ファンになりたての頃はそれが少し寂しかったのも事実ですが、今はむしろ誇らしいと思えるのです。
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ちきりんさんは、講演会の時でさえ、お面をかぶって登場する方です。ある意味、達郎さん以上にメディアに出ない方です。有名になろうとかサラサラ考えない。
また、ブログ記事も毎日書けばもっとPV稼げるけど、残業して収入増やすようなやり方してもしょうがないと言って、3日に一度くらいしか更新されません。実にゆるい。
しかし、ブログの価値を高めるための努力は怠りません。例えば、
「すべての価値あるコンテンツは、自分のブログに集める」
このルールを厳格に守ることで、ブログの価値を高めています。
有名サイトからの執筆依頼や転載依頼を受ければ、PVも信用も上がりますが、それらをほとんど断っています。自分のサイト以外で面白い記事を書いてしまえば、「Chikirinの日記」の価値が下がってしまうし、それでは「自分のメディア」を育てられない。
有名サイトからの依頼を断るというのは、なかなか勇気のいることだと思います。
その他にも様々な工夫をしていて、ブログという場所の価値を高めるために、ここまで考えているのか……と唸らされますが、その辺りの詳細は『「Chikirinの日記」の育て方』で。
つまり目的が、価値ある自分のメディア(自分の想定する価値観を持つ人が集まる場)を作ることにあるのです。これは、メディアに取り上げてもらってブランド価値を高める従来の手法とは、全く逆のやり方です。
・PVを稼ぐ、収入を増やすことが目的 ← そのためにメディアに出る
・自分のメディアを持つ ← そのためにブログの価値を上げる
目的が全く異なるので、取る行動もまた違ってくるわけです。
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従来は、成功と言えば、メディアに取り上げてもらって名前を上げ、収入を増やすことでした。
しかし達郎さんはメディアの王様であるテレビには一切出ず(夫婦でCMに出たら億っていう話を蹴ったとのこと)、ちきりんさんは自分のメディアを作ろうとしている。
メジャーになる、ビックになることとは違う価値感を持っているお二人ですが、それらの価値は、インターネットが普及する前からも、普及した後も、既存のメディアに左右されずに得ることが出来るものなのです。