電通の事件から学ぶこと。社員も会社も責めてる場合か!
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電通新入社員自殺、「死ぬくらいなら辞めればよかった」が絶対に誤りである理由。 – アゴラ
※現在は削除されているようです。
アゴラに掲載されているこちらの記事について、思うことがあったので今回のエントリを書いてみました。
2015年の12月に、電通の新入社員の女性が自殺し、それについて労働基準監督署が労災認定をしました。長時間労働による過労が原因ということです。
この事件に対して、「自殺するくらいなら、その前に会社を辞めればよかった」という意見もあるらしく、それはおかしいんじゃないのか、というのが、今回のアゴラの記事です。
要は、
- 社員は正常な判断ができないほど追い詰められていた。
- 退職は冷静な判断が必要になるので、精神的に追い詰められている人間にそんな行動は無理。
- ようやく入れた会社をそう簡単に辞められない。
- 精神疾患で退職となれば、次の仕事が見つからないのではという不安もあるはず(なんで退職理由を馬鹿正直に話す必要がある前提なのかは謎)。
- かと言って深夜残業をしなければならない今の仕事を続けながら、次の職を探すのは不可能に近い。
なので、当人に責任を押し付けるのはおかしい、上司や人事部が適切に対処すべきだった、会社側に問題の本質がある、という論調です。
どれもこれも至極最もな意見で、全く異論はありません。
だって、社員を過労死に追い込んだ会社に対して、会社が悪いって言ってるだけなんだから。
苦しんだ末に死を選んだ社員を責めるなど言語道断ですが、このご時世にパワハラなんぞやらかす会社を責めるのも全く意味がありません。分かっててやってるわけですから。
「本人を責めてもしょうがない」、「会社に責任がある」、というのは正論ではあるんですけど、正論では人は救えない。
「この社員はどうすれば助かったのか。」、「今苦しんでいる社員はどうすればいいのか。」、「これから社会に出ていく若者は、どんな準備をすればいいのか」という点も論ずるべきです。でなければ、尊い犠牲が無駄になる。
電通のような会社を徹底的に糾弾したり、事件が起こった背景をたどったりすることで、企業や社会が変わることもあるかもしれませんが、それまで同様の問題を抱えた他の社員は、ひたすら耐えるしかないのでしょうか?
そうではありません。企業や社会が変わるのは時間がかかるけど、自分を変えるのはすぐにでも出来ます。助かる道はあるんです。
社会保障の仕組みを知り、労働者の権利について考え、他社の制度について調べ、働き方に対する価値観を変える。
自分の命や、家族の生活を護るために、あらかじめ逃げる覚悟を固めておく。そのための知識や準備を整えておく。
職を失ったとき、どういった社会保障があるのか、失業保険はどの程度の額、どれくらいの期間もらえるのか。
本来なら社会に出る前にこういった準備をしておく必要があります。過酷な労働環境の渦中にいると、冷静な判断ができなくなりますから、余裕のあるうちに済ませておくことが大事です。
そういう社員が増えれば、企業も変わらざるをえない。そうやって社会を変えていくほうが望ましいし現実的だと考えます。
本来なら、こういったことは義務教育で教えるべきです。電通のような悲惨な実例を出して、こういう状況になったら、生きるために脇目もふらずに逃げるべき、そのためにこういう制度が利用できます、こんな準備をしておくことが有効です、と。
学校には今、そういった機能は無いと思うので、アゴラで啓蒙するのはどうかと思います。
アゴラは月1,000万PVを記録する言論サイトです。恐らくですが、読者層には会社員が多いでしょう。そういった言論サイトであれば、多くの会社員の意識を変えることが出来るはず。
以前、満員電車に乗っていたとき、ある乗客が気分が悪くなって降りるということがありました。あんな状態でいたらそりゃ体調も崩します。例え遅刻してでも、体のことを考えるべき。命を護ることを真剣に考えるべきなんです。
次回は具体案を出してみたいと思います。
出来ることはあるはず。