プレミアムフライデーに期待する
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プレミアムフライデーとは
プレミアムフライデーという、政府と経団連主導のキャンペーンが始まった。
月末の金曜は15時に仕事を終えて、楽しい週末を送っちゃおう、というもので、消費喚起や働き方改革に期待するもの。次回は3/31という年度末のエライ時期になっていて、死人が出ないか心配だ。
世間では賛否両論、というか認知度が低く、まだ殆どの企業が様子見という段階だが、個人的には働き方や生き方に対する意識を高める、いい機会になると思っている。
公式サイトの「月末金曜、何しよう?」というのはなかなかいいコピーだと思う。
問題点
問題点は2点あって、
- 退社時間を早めるために、何が必要か考慮されていない
- みんなで同じ行動を取ることが推奨されている
退社時間を早めるために何が必要か考慮されていない
単に早く帰るだけでは、働き方が、ひいては生活が変わるということはない。今度の週末楽しみだね、というだけでは、改革と言うには程遠い。
生産性を上げる→早く帰れるようになる
という因果関係なので、早く帰ることだけアピールして、そのために必要な生産性の向上が置き去りにされると意味がない。
早く帰れるために、どうやったら仕事を早く終えられるかを考えることに意義があるので、そこにフォーカスしてほしかった。
「日本のホワイトカラーは他国に比べてものすごく生産性が低いよ! みんな工夫して早く帰れるようになろうね」という感じでアピールしてほしい。今はまだ、生産性に対する意識が持てていない段階。
生産性を上げたからこそ、早く帰ってのんびり過ごせる、豊かな社会や楽しい人生が実現するんだということを訴えてほしい。
ただ、先にインプットを制限することは、生産性を上げる手段として有効なので、やってみる価値はあるのかも。もっともその場合は、他の営業日にしわ寄せが行かないようなやり方を考えないといけない。
みんなで同じ行動を取ることが推奨されている
「みんなが」、月末の金曜日という「同じ日」に、15時という「同じ時間」に帰宅する。
このキャンペーンは結局、みんなと同じことをするのが大事という価値観に基づいている。これは良くない。気に入らない。
ワークライフバランス的な意味での働き方改革というのであれば、みんなが同じ日、同じ時間に同じ行動をしている時点で意味がない。休みの日が決められているというのは、自由な働き方とは言えない。
自分に合った、自分がしたい働き方が認められるように、企業が動いていくことが求められる。
働き方改革というのは、多様な働き方を認め、個人を大事にするということではないのか。
なので、逆に休みの日をずらしてもらいたい。消費を増やす効果云々も言われているが、休みをずらして繁忙期と閑散期の平準化をしたほうがオフピーク効果が期待できるので、ずっと効果はあると思う。サービスを提供するお店やインフラからすると、繁忙期に合わせて確保した人員や機材は、閑散期には無駄になるから。
今後の展望と希望
これを導入するのは多分に先進的な企業で、そういうところはフレックスや在宅勤務、週4日制(1日10時間労働なので給料は変わらない)などを取り入れていることが多い。今回の取り組みで、そういった企業が取り上げられる機会が増え、働き方について皆が考える機会が増えたらいいと思う。
私は、政府にあまり余計なことはしてほしくないと思っているんだけど、小池都知事が環境大臣時代にクール・ビズの旗振り役をして、(よほどアホな企業を除き)だいぶ浸透してきたことは高く評価してる。あれでいろんな客先でスーツやネクタイをしなくて良くなったことは、素直に大変にありがたい。横並びの日本企業では、こういうのが意外と効果が出る時がある。
同じように、フレックスを導入しましょうとか、休日シフトしましょうとか、なんなら在宅勤務や週4日制まで、政府がキャッチーな言葉で旗振り役になるのをわりと期待してしまう。
いずれ深刻な人手不足で、自ずと導入する企業は増えていくだろうが、まだまだ時間がかかりそうなので。
これらの施策は、導入のハードルの差はあっても、本質的には、労働者だけでなく、企業にも利益をもたらすものだ。
あとはマスコミに好意的に報道してほしい。うちはこうやって生産性を上げたので、他の営業日にしわ寄せが行くことなく、楽しい週末が遅れてます♪みたいなインタビューとかしてもらいたい。
とはいえ、「働き方改革」という言葉がなんらか力を持つきっかけになる、そんなキャンペーンに成長する可能性を感じてしまう。誰にとっても、働き方や生き方について考えるのは、ワクワクできることなのだ。
そういう意味で改めて、「月末金曜、何しよう?」というのは、なかなかいいコピーだと思う。
働き方についてはこちらのエントリもどうぞ。
週4日労働制の実現について考えてみました - koji-xの小部屋
週4日労働制が、ユニクロにて(一部)実現!! - koji-xの小部屋
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ちきりんさんのこれらの本を読まなかったら、働き方、生き方について考えることなんてなかったと思う。