ちきりんさん「自分の時間を取り戻そう」を読んで、変わったこと
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ちきりんさん@InsideCHIKIRIN 「自分の時間を取り戻そう」読了。面白かったし、今後のことを今までにないくらい真剣に考えた。特に今回の客先変更を機に、自分とシビアに向き合う必要があったから、このタイミングでの発売は大変ありがたかった。具体的な今後のプランをねりねり中。
— koji-x (@kojix68k) 2016年12月4日
最初に
若い頃に比べて、いろんなことを知ったおかげか、または残りの人生の時間を想うことが増えてきたせいか、ここ数年やりたいことが増えてきた。それも切実感を伴うくらい強く。
なので通勤にかかる無駄な時間が許せなくなったし、みんなが同じ曜日に休むことで混雑することもおかしいと思うようになった。
ついでにいうと、行動力も決断力もないもんだから、とにかく時間が足りない。
今は会社勤めで生活しているけど、これだとあまりに不自由が大きい。客先によっては、良い同僚に恵まれたり、眺めの良い場所で仕事できたり、新しい技術が身についたりもするけれど、今の状況は決して望ましいものではないと断言できる。
だから、組織に頼る部分を少しでも減らそう、自分の時間を取り戻すため、少しでも自力で稼げるように、または時間を増やせるようにしたいという思いが日に日に強くなっていた。
そんな時期、新しい客先に移ることになった。そこでの技術も仕事の進め方も未経験のもので、決めるまでにかなり迷い、精神的にもきつく、心配で夜は眠れるけど昼は眠れないほどだった。
ちょうどその頃発売されたのが、おちゃらけ社会派ブロガー*1ちきりんさんの新刊「自分の時間を取り戻そう」だった。
この年になると流石に、誰かが正解を教えてくれて、こうすればあなたの人生は良くなるよ、と教えてくれることはないと解っている。だけど何か、人生を切り開くヒントが欲しかった。
その大きなヒントが、本書のテーマでもある「生産性」だった。
生産性とは
工場で、短時間にたくさんの工業製品を作り出す指標となっている、あの生産性だ。が、その本質的な意味を、僕も含め殆どの人が理解していないと、この本を読んで理解した。本書では仕事だけでなく、家庭での生産性の重要さも説いているが、そもそも家庭内において、生産性という概念が似つかわしくないというか、マッチしないという意識もあった。
twitterだったかブログだったかは失念したが、著者の「個人でも組織でも国家でも、生産性を向上させることなしに経済的に豊かになることはありえない。」という言葉が今も鮮明に残っている。その言葉の意味するところが本書にて丁寧に解き明かされる。
何をするにも、自分が持っている貴重な資源(時間でもお金でも集中力や体力でも)を差し出すなら、最大限の効果を狙いたい。それを、いいやいいやで長時間労働に浪費したり、つまらない付き合いに使ったりしていてはダメだ。
それをきちんと把握すれば、生産性に仕事と家庭の区別など無いのだということがよく分かる。同じお金、時間、労力、体力、精神力を使った時に、最大限の効果を発揮できれば、人でも組織でも国でも、ハッピーになれるのは自明だ。そこに企業と家庭の区別など無い。
家庭における生産性
もっと言えば、家庭においても家事などに限定されるものでもない。
本書では、家事や育児など、やらなければならないことだけではなく、やりたいことにおいても生産性を上げることが重要との指摘も。
例えばストレス発散にしても、何をした時に最も効率よくストレスが解消されるか、トライ・アンド・エラーが必要、との箇所では、「なるほどー!確かにそのとおりだね~」と唸ってしまった。やっぱり面白い。考え方がすごく面白い。単に時間やお金を節約するのではなく、時間とお金を使って最大限満足するにはどうすればいいかを考えよう、という発想が新鮮。
例えば外で食事をする時、僕にとっては、某カフェで食事をするのが最も満足度が高い。静かで、雰囲気が良く、店員が丁寧な店だ。めちゃくちゃ美味しいわけじゃないし、そんなに安いわけでもない。でも一度入ると、店を出るのが惜しくてずっと浸ってしまう。(で、堪能したあと現金が足りなくて、「すわ、皿洗いか!」とコンビニダッシュしたのはいい思い出。店員さんは笑顔で対応してくれました。)*2
どんなに料理が美味しくても、僕にとっては、それだけで幸せになれるわけじゃない。
それが理解できたので、ネットや雑誌で紹介されてる美味しそうな店を片っ端から回るより、これからは絞り込んで効率的に探せる。時間もお金も有効に使える。
僕にとっての満足できる食事をとるための最も生産性の高い方法は、そういったお店を選ぶこと。
簡単そうで、気づくのに時間がかかってしまった。「自分にとっての」生産性の高いやり方は、「自分がほんとうに好きなこと」を深く知っていないと気づけないのだ。
本書を読んで
個人差はあれど30歳くらいには、一生懸命働けば豊かになれるというのがフィクションであったことに気づく。
それは持って生まれた才能や環境の違いを挽回できないから、ということではない。なんの工夫も試行錯誤もすることなく、ただガムシャラにやってきただけの人間が、それを続けてきた人に勝てるわけがないと理解するのだ。
この本には、過去に出版された「未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる」や、「マーケット感覚を身につけよう」のように、働き方だけではなく、より良い人生をおくるためのヒントが散りばめられている。
何か、なんでもいいから、生活の一部を今までと変えたくなるような、そんな気にさせてくれる。
ということで、休みの日に何も出来ずにぼーっとしていた自分が、今年に入ってから、数年来やりたかった、スマホアプリの作成に乗り出すことになった。
いつかこの技術が役に立つかもとか、広告で小遣い稼ぎとかも考えないではなかったが、とにかく動いてみたくなった。貴重な休みを使ってでも。というか、平日でも時間を作ってやるようになったんだから大したもんだ。
一冊の本で人生が変わったとか大げさな話ではないけれど、一人の中年のおっさんの休日の行動を、わりあい変えることが出来た本であることは確かだ。
終わりに
できれば沢山の人に本書を読んでもらいたい。多くの人が生産性の本質を理解し、より生産性の高いものを求めるようになれば、また、より生産性の低いものを忌避するようになれば、世の中はもっと豊かに、人生はもっと自由になものになる。
※生産性という言葉が良くないのかも。この言葉からは、人生を豊かにする素晴らしいものというニュアンスは感じない。
近藤麻理恵さんの収納術のことを「こんまりメソッド」*3っていうくらいだから、「ちきりんメソッド」とかどうかな。
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